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最高裁判所第一小法廷 昭和44年(オ)912号 判決 1969年11月13日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人奥村孝の上告理由第一点について。

上告会社と被上告会社の各商号の表示および両社の営業目的ならびに営業活動、両社の営業活動の混同された事例等原審の確定した諸般の事情のもとにおいては、上告会社の商号が被上告会社のそれと類似し、上告会社の営業活動が被上告会社のそれと混同を生ぜしめるおそれがある旨、および上告会社の商号使用によつて被上告会社が営業上の利益を害せられるおそれがある旨の原審の判断は正当である。したがつて、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。

同第二点について。

所論の主張をもつて、上告人が不正競争防止法二条一項四号の主張をしたものとみることはできないのみならず、原判決を通読すれば、原判決が、上告会社の設立当時既に被上告会社の商号が兵庫県下の冷凍事業関係者およびその大口顧客間において広く認識されていた趣旨を判示していることは明らかであるから、論旨は採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 長部謹吾 裁判官 入江俊郎 裁判官 松田二郎 裁判官 岩田 誠 裁判官 大隅健一郎)

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